祈りの旅

日本のどこかでアルゼンチンタンゴを踊っている女のブログです。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

影になりたい 踏まれてもいい

カベセオが苦手です。もはや嫌いです。 踊り場のマナーなのでしょうが、もっぱら出来ません。 こんなに胸元擦り合わせ近くで踊っていても、あなたの意思や心の裡などまるでわからないのに。まして会場の向かい、またはうんと離れたところから、まなざしで合…

どうしてあなたは踊るのですか?

樹は本当に、生きていくのに良い先生です。地面から、少し斜めに生えていても堂々と立っている。 あんなに人間の肉体と精神をおびやかすように緑を芽吹かせ、あんなに悠々と多くの葉を風に踊らせていたのに。 季節が手をかけるせいで裸木になりつつあっても…

アンチ・コミュニケーション

子供のころは、よく指をクルクル回してトンボを捕まえていたものでした。 ; 夕陽の中、トンボが薄い翅を伏せて綺麗に葉に止まっていて、写真を撮ろうとするとわたしのスマホでは、なかなかピントが合わない…… そうこうしているうちに、ぶわっ。と手の甲を風…

天女物語

アキアカネやホウジャクを、追いかけていたら、日が暮れてしまった。 周りは家族連れやカップルが手繋ぎ、賑わい通り過ぎていって……わたしひとりだけ、草の鳴る丘の夕暮れに暮れていく。 やがて葉は枯れ草に。かさかさ音して声無く、さびしい。 タンゴやワル…

おとぎ話

新宿御苑のプラタナス。人に植えられたまま、お行儀良く並んで立っている。 人にどうかされようと、自然の儘になろうと、彼らは長い睫毛伏せて、静かに静かに黙りこくっている。 プラタナスがとっても大好き。幹のまだら模様が良い。大きな葉っぱが良い。 あ…

サキマスヨウニ。サキマスヨウニ。

十月桜が、ちらほらと花を付けていました。 急に空気が、冷たくなりました。 きっと、空が、今日は高かったでしょう。そんな空気でした。でも今日は、お空をあんまり、見ないで歩いてきてしまった。 今日も、わたしが居ることができるミロンガがあって、とて…

ファースト

良くない夢を見た。わたしったら、おかしな時間にうとうとしてしまったから……。 お母さん。お母さん……と半狂乱になる。ああもう時間がないの。このままではひとりで部屋にいられない。まるでしんでしまいそうなの。このままでは……………… 急いで顔を洗ってお顔…