端には蜜色。 神は銀杏の樹に舞い降りた。 豊かな巻き毛のまなざしで。黄金のときは、遠く鐘を鳴らして、わたしたちにおとないました。 地中の蝉の子が身じろぎする。命は戦慄しつづける。ねえ。息が。聞こえませんか。ほら、息が。聞こえませんか。 古代よ…

晴れた昼も、そのまま滑らかに下降する夕暮れも、一様に青さを持っている。空が青いから青いのでは無い。容器に入れた水のように、青が充満して、おかげで思考が人にまで知られない。おかげで誰の心も、わからない。 仕事をしているとき。踊り場で誘いを待っ…

生き損ないのように、ただ息をしている。 もう、12月になってしまった。道ゆく人々が、まるで羊のように、追われせき立てられ歩いているように見える。 どこへゆけばいいのか。わたしは砂金で描かれたカードを、失くしてしまった。 塞がりの景色の中、せめて…